大腸憩室|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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疾患 DISEASE

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大腸憩室とは?

腸憩室は日本人の4人に1人の割合で発症する頻度の高い疾患ですが、とくに症状が出ない場合、簡単な説明を受けて診察が終わる場合があります。そのため、不安に思う方がいるのではないでしょうか。 結論からいうと、偶然発見された大腸憩室の場合、大腸内視鏡検査や治療は不要です。一方で、出血や炎症をともなう場合は、適切な治療を受ける必要があります。 そもそも大腸憩室とは、大腸の壁の一部(筋肉)が薄くなり、外側に膨らんで袋状になっている状態です。憩室にならない方法や憩室の数を減らす方法は、とくにありません。 日本消化管学会の大腸憩室症ガイドライン2017によると、憩室の人の割合は年々増加傾向にあり、国内では23.9%が発症しています。大腸憩室の多くは、上行結腸やS状結腸で起こります。

大腸憩室の症状

ほとんどの大腸憩室は、症状が現れることがありません。一方で、憩室に炎症が起きる憩室炎や出血をともなう憩室出血の場合、さまざまな症状が現れる場合があります。

憩室炎

憩室炎のおもな症状には、腹痛・圧痛・吐き気・嘔吐などが挙げられます。 日本人の憩室炎の場合、右側に多いため、右下腹部に症状が出る場合があります。痛みとしては、歩くのも困難になる程度の痛みが起こるでしょう。 憩室炎の頻度は国内では不明ですが、海外の場合は出血の約3倍程度とされています。

憩室出血

憩室出血のおもな症状は下血です。発症時は、便に血がつくレベルではなく、血液だけ出るような出血が起こります。 出血の頻度は年間で0.2%、10年間の累積では約10%程度とされています。

大腸憩室の原因

大腸憩室の原因は、大腸にかかる圧力が関係しているとされています。とくに、憩室出血の場合は肥満や低用量アスピリン、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)がリスク要因とされています。一方で、飲酒や喫煙などは関連がありません。

大腸憩室の検査方法

大腸憩室の検査方法は憩室炎、憩室出血のそれぞれで異なります。

憩室炎

憩室炎では、血液検査をおこないます。白血球やCRPの値を確認し、それぞれが上昇している場合は憩室炎の可能性があります。 また、腹部CT検査や超音波検査を実施して膿瘍や穿孔、狭窄や瘻孔などの有無を確認しなければなりません。 これらの合併がある場合、死亡率は2.8%、合併がない場合は0.2%とされています。

憩室出血

憩室出血では、腹部CT検査や大腸内視鏡検査をおこない、出血部位を確認します。大腸内視鏡検査で出血が確認された場合は、止血クリップなどで出血点または憩室の開口部を塞ぎ、止血をおこないます。

大腸憩室の治療方法

大腸憩室は合併症をともなわない場合、治療する必要がありません。一方で、憩室で炎症が起きたり、出血したりしている場合は適切な治療を受ける必要があります。

憩室炎

憩室炎のほとんどは、抗生剤による治療で改善します。一方で、腸に穴が空いていたり、大腸が狭くなっていたりする場合は手術が必要になるケースがあります。 憩室の分布によっては、大腸の大部分を切除することになるでしょう。

憩室出血

憩室出血の場合は、入院治療によって70〜90%は改善します。一方で、改善しない場合は、内視鏡治療や血管治療などがおこなわれるでしょう。 止血後の再出血率は、1年で20〜35%、2年で33〜42%程度とされています。

大腸憩室が不安であったりお困りの方は当院までご相談ください

大腸憩室はほとんどの場合、治療が不要です。一方で、憩室に炎症や出血がみられる場合は、抗生剤や内視鏡治療、血管治療などが必要になります。 検査をおこなう際は炎症や出血が起きている部位を確認するために、血液検査や腹部CT検査、大腸内視鏡検査を受ける必要があります。 歩くのが困難になる程度の腹痛や下血などが起こる場合、憩室炎や憩室出血のおそれがあるため、該当する方は当院までお声がけください。 また、症状がなくとも憩室と診断され、ご不安に思う場合も遠慮なくご相談ください。