潰瘍性大腸炎|辻仲つくば胃と大腸内視鏡・肛門外科クリニック|茨城県つくば市の大腸・肛門外科 消化器内科 内視鏡検査

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疾患 DISEASE

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潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、主に大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の疾患で、炎症性腸疾患(IBD)の一種です。 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(内側の層)にびらんや潰瘍ができる疾患です。特徴的な症状には、血便を伴うまたは伴わない下痢や腹痛があります。炎症は直腸から始まり、連続的に上行性に広がり、最悪の場合、大腸全体に及びます。 日本における潰瘍性大腸炎の患者数は約166,060人とされており(平成25年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)、人口10万人あたり約100人が罹患している計算になります。そのため、自分には関係ないと考えず、症状が見られる場合は速やかに専門医に相談しましょう。

潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎は、病状が悪化する時期(再燃)と落ち着く時期(寛解)を繰り返すことが特徴の疾患です。潰瘍性大腸炎は寛解期であっても腸の炎症が完全に治まるわけではありません。そのため、病気が進行することがあり、長期間にわたる炎症が原因で大腸がんのリスクが高まることもあります。継続的な治療と定期的な検査が必要です。 以下に主な症状とその特徴について説明します。

下痢

頻繁に水っぽい便が見られます。炎症がひどい場合は、1日に何度もトイレに行く必要があります。

腹痛

お腹の痛みは、炎症の部位や程度によって異なります。特に排便前後に強くなることが多いです。

血便

粘膜の炎症や潰瘍からの出血による血便が見られます。これは潰瘍性大腸炎の典型的な症状です

全身症状

発熱、貧血、全身のだるさなどが見られることがあります。これらは体全体の炎症反応によるものです。

合併症

腸管以外にも、皮膚、関節、目に炎症が現れることがあります。例えば、皮膚に発疹が出たり、関節が痛んだり、目が赤くなったりすることがあります。

瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、近年の医学研究により、いくつかの要因が複雑に関与していることがわかってきました。

免疫異常

通常、免疫システムは体内に侵入した異物を攻撃して体を守ります。しかし、潰瘍性大腸炎では、この免疫反応が過剰に働き、自身の腸の細胞を攻撃してしまいます。これが大腸に炎症を引き起こす主な原因と考えられています。

腸内細菌

腸内には多くの細菌が存在し、健康な腸の機能をサポートしています。しかし、潰瘍性大腸炎の患者では、腸内細菌のバランスが崩れ、炎症を引き起こしやすい環境になっていることがあります。この腸内細菌の異常が病気の発症に関与していると考えられています。

食生活の変化

現代の食生活の変化も潰瘍性大腸炎の発症に影響を与えている可能性があります。特に高脂肪、高糖質、加工食品の摂取が増えると、腸内環境が悪化し、炎症が起こりやすくなると言われています。

遺伝的因子

遺伝も潰瘍性大腸炎の発症に関与していることが示されています。日本国内でも家族内での発症が認められており、欧米の研究では、患者の約20%にIBD(炎症性腸疾患)の近親者がいることが報告されています。遺伝的な要因が病気の発症リスクを高める一因と考えられます。

潰瘍性大腸炎の検査方法

潰瘍性大腸炎の診断には、詳細な問診に加えて、以下のような検査が行われます。

大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)

大腸の粘膜を直接観察できるため、潰瘍性大腸炎の診断に非常に有用です。 ・定期的に行うことで、粘膜の炎症状態を確認し、治療効果や病気の重症度を評価します。 ・他の大腸疾患と区別するためにも重要です。 ・検査中に組織を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べます。 また、潰瘍性大腸炎は大腸癌のリスクであるため、症状が落ちついていたとしても年1回の検査をお勧めしています。

便検査

便検査は、大腸の状態を評価するための重要な検査です。 ・便潜血検査: 微量の出血を検出します。 ・便中カルプロテクチン検査: 便中の炎症マーカーから大腸の炎症を判断します。 ・便培養検査: 病原性細菌の有無を調べ、再燃の原因を特定します。

血液検査

血液検査は、病気の状態を把握するために欠かせない検査です。 定期的に実施することで、以下の情報が得られます。 ・炎症の有無や程度 ・出血や炎症による貧血の状態 ・栄養吸収の低下による栄養状態の変化

CT検査

CT検査は、潰瘍性大腸炎の診断にはあまり用いられませんが、以下の場合に行われます。 ・腹痛、下痢、血便が重症で、他の腹部疾患との鑑別が必要な場合 ・内視鏡検査が困難な重症例や合併症の確認が必要な場合

潰瘍性大腸炎の治療方法

潰瘍性大腸炎の治療にはさまざまな方法があります。以下に、主な治療法をご紹介します。

薬物療法

潰瘍性大腸炎の治療には、いくつかの種類の薬物が使用されます。

5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤

剤形:経口剤、注腸剤、坐剤 対象:軽症~中等症の全ての病型、直腸炎型の方 特徴:基本的な治療薬であり、腸で薬が放出され直接腸粘膜の炎症を抑えます。寛解の導入と維持に用いられ、特に直腸炎型や左側大腸炎型に有用です。

ステロイド

剤形:経口剤、注射剤、注腸剤、坐剤、フォーム剤 対象:5-ASA製剤で効果が不十分な方、重症や劇症の方 特徴:炎症を素早く抑えますが、寛解導入時に使用し、徐々に中止します。予防効果はないため、漫然と使用しないよう注意が必要です。

免疫調節薬

剤形:錠剤、散剤 特徴:リンパ球の増殖を抑え、免疫異常を調節します。効果が出るまで時間がかかるため、寛解維持に使用されます。

カルシニューリン阻害薬

剤形:経口剤、注射剤(注射剤は保険適用外) 対象:難治中等症~重症の方 特徴:リンパ球の増殖を抑え、即効性がありますが、長期間の維持投与は行いません。

生物学的製剤

特徴:生体が作るタンパク質を利用した薬で、従来の治療で効果がない場合に用いられます。寛解の導入と維持に効果があります。

JAK阻害剤

剤形:経口剤 対象:中等症~重症の方 特徴:免疫細胞の伝達経路を阻害し、炎症を抑えます。寛解の導入と維持に使用されます。

α4β7/α4β1インテグリン阻害剤

剤形:経口剤 対象:中等症~重症の方 特徴:白血球が腸に入り炎症を起こすのを防ぎます。寛解導入に使用され、投与期間は最長6か月です。

血球成分除去療法

対象:中等症~重症の方、ステロイドが効きにくい方 特徴:血液から過剰な免疫を引き起こしている血中の細胞を除去し、血液を体内に戻します。効果はゆっくり現れるため、激烈な症状の方には向きません。

外科治療

対象:内科治療で効果が得られない方、大量下血や穿孔を伴う重症の方、大腸癌を伴う方 特徴:炎症の主な部位である大腸を摘出し、小腸で作った袋を肛門につなげる手術です。原則として永久人工肛門にはならないことが多いです。患者さんの状態に応じた手術方法が選択されます。

潰瘍性大腸炎で不安であったりお困りの方は当院までご相談ください

当院では、消化器内視鏡学会専門医として豊富な経験を持つ医師が、潰瘍性大腸炎の治療を専門的に行っています。 また、心や体の不調に対しては、西洋薬だけでなく漢方薬も併用し、患者様一人ひとりに適した治療を提供しています。地域の皆様に信頼され、愛されるクリニックを目指し、患者様が心から笑顔になれるようにお悩みに寄り添って診療を行っています。 潰瘍性大腸炎やその他の体の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。