口臭とは?
口臭と聞いて「虫歯や歯周病などが原因で起こるもの」というイメージがないでしょうか。 実は、口臭は胃の症状や病気に関連して起こる場合があります。 胃が不調を起こすと、食べ物の消化が悪くなり、発酵が起こります。この発酵した臭いが肺に入り、呼吸として排出され、口臭になるケースがあるでしょう。 また、逆流性食道炎によって食道に胃液が上ってくると、酸っぱい臭いがしてくる場合があります。 口臭は、おもに生理的口臭と病的口臭に分かれます。生理的口臭の場合、起床時や緊張を感じているときに口内が乾燥し、細菌が増殖しやすくなることで臭いが起こるのが特徴です。 一方で、病的口臭は体に存在する疾患や何らかのトラブルにより発生します。魚や玉ねぎが腐ったような臭いがするのが特徴です。 しかしながら、口臭については本当は口臭がないが、ご本人が思い込んでいるような精神科疾患に起因するような場合もあります。治療の必要性については慎重に考える必要があります。
口臭の原因となる疾患
口臭の原因となるおもな疾患は以下のとおりですが、必ずしも原因がはっきりしないことも多いです。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、胃酸などの胃の内容物が逆流することで食道にて炎症が起こる疾患です。 胸やけや胃もたれ、口臭や呑酸(口腔内への胃酸逆流によって、苦みや酸っぱみを感じたり、そのようなげっぷが出ること)などをともなう場合があります。
慢性胃炎
慢性胃炎とは、胃粘膜が炎症を起こしている疾患です。ストレスやピロリ菌の感染、消炎鎮痛薬の副作用などで起こります。 腹痛や吐き気、不快感などが起こり、口臭が発生する原因にもなります。
胃がん
胃がんとは、胃に起こる悪性腫瘍です。初期段階ではほとんど症状はありません。 一方で進行すると、吐き気や嘔吐、胸やけや腹痛に加えて口臭が発生するおそれがあります。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍とは、胃や十二指腸の粘膜が剥がれたり、えぐれたりする疾患です。 胃やみぞおちの痛み、胸やけや食欲不振などに加え、口臭が強くなるケースがあります。
ピロリ菌
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息する細菌です。感染すると、胃酸の分泌が過剰になり、胃酸の臭いによって口臭が強くなる場合があります。
口臭が気になる場合は、口内に原因があるかどうかを確認しなければなりません。そのため、歯科を受診し、虫歯や歯周病の有無などを確認しましょう。 とくに口内疾患がみられない場合は、胃の不調・疾患が考えられます。口臭とともに腹痛や下痢、便秘や膨満感などの症状に応じて胃カメラや腹部エコー、X線やCT検査などをおこないます。
口臭でお困りの方は当院までご相談ください
口臭は、決して口内疾患だけが原因ではありません。胃や腸などに病気が起こり、口臭になるケースもあります。 大切なのは口臭の原因をいち早く見極め、適切な治療を受けることです。 まずは歯科を受診し、口内環境によって口臭が起きていないか確認しましょう。 口内環境が問題ないにもかかわらず、口臭が発生している場合は、胃や腸などの消化器に問題がある可能性があります。